●水槽について

ビーシュリンプは大きくなっても2.5cmくらいにしかなりません。小型水槽でも十分飼育できます。

・小型水槽の場合
メリットは、省スペースでありセッティングがしやすく、マンションなどでも簡単に設置することが可能です。また水量が少ないため水質の安定が大型水槽に比べて速いことです。デメリットは、少ない数しか飼育ができないこと、水質はすぐに安定になっても水質の維持やバランスが変化しやすいこと、温度管理が夏場は難しいことがあげられます。
特に夏場は水温対策にファンなどを回します。1日中回していると結構な水が蒸発するため足し水をします。足し水を毎日していると水槽内のバランスが崩れエビが調子を崩すことがあります。

・大型水槽の場合
メリットは、水質の安定には時間がかかりますが、水質が安定してしまえば、生体数が多くても飼育可能です。水質の安定をすぐにするためにはパイロットフィッシュを入れたりバクテリアを投入したりすることが考えられます。小型水槽のように急激な温度変化や水質変化に留意することもありません。デメリットは、ある程度のスペースが必要であり、濾過器やソイルなどの費用が高額になることです。


●水槽の置き場所について

ポイントは下記になります。
・たくさんの器具を使用するためコンセントがありや給排水がしやすい飼育しやすい場所を選ぶ
・水温上昇やコケの発生を抑えるために直射日光が当たらない場所を選ぶ
・水槽は水や底砂を入れると想像以上の重量がかかるため地盤がしっかりした場所を選ぶ
・水槽用のキャビネットにおいてください。メタルラックは荷重に耐えらない可能性がありますので不可
・揺れない安定した場所を選ぶ
・音には敏感なため比較的静かな場所を選ぶ(騒音でなければ問題ありません)
・温度管理がしやすいように暑くなる場所よりは涼しい場所を選ぶ


●水槽のセッティングに向けての準備物

水槽以外にも以下のものを準備しておくと便利です。
タオル、ピンセット、ごみ袋(ビニール)、網、バケツ、電源コード、水草(無農薬になるように水洗いなどしておくこと)、パイロットフィッシュ


●水槽のセッティング

まずは何も入れないで水槽台と水槽を置き水平かどうか安定するかどうかを確認してください。水平計を使うと便利です。安定していることが確認できたらソイルなどの底砂を入れてください。水草を植えるのであれば3cmくらいにするのがポイントです。
60cm水槽では8Lくらいのソイルを入れるのが目安になります。ソイルを敷いたあと何も考えずに入れてしまうと水が濁ることがあります。
濁りを避けるためにも以下を試してみてください。

1、ソイルを丁寧に敷く
2、水槽内に固定する濾過器やヒーター、石などを設置する。この時に水草も植えてしまう。
3、ソイルの上にビニールを敷く
4、水が落ちるビニールの部分に重しをおいて、水を注いでもビニールが浮かばないようにする。
5、水が1/3程度入ったら流木や水草をセッティングする。
6、水を規定量いれて、底砂の空気抜きを指やピンセットで行う。
7、濾過器などを運転し、水漏れがないかなどを確認してください。
8、パイロットフィッシュ、バクテリアを投入するのであれば入れてください。


※水槽内の水は十分にカルキ抜きをおこなう。もし、新規に水槽を立ち上げるのでなければ、バクテリアなどが繁殖しているほかの水槽から水を使用するのがベストです。




        




●エビの投入にむけて

水槽のセッティングが終わるとすぐに導入したくなりますがまずは水を作ること(バクテリアが繁殖した水)に専念してください。水を作る方法としてパイロットフィッシュもしくはバクテリアの導入があります。パイロットフィッシュは水質にうるさくなく丈夫なアカヒレがいいかと思います。バクテリアはこちらがオススメです。
パイロットフィッシュやバクテリアを導入することで、それが排出するアンモニアやバクテリアの定着の手助けにより水質が早く安定します。立ち上げ時はアンモニア値、亜硝酸値は通常よりも高く出るため水替えの頻度を多めにしてください。数値の計測には試験薬を用いることで可能となります。この期間は長ければいいですが、底砂がソイル系の場合は、1ヵ月様子を見たいところです。これはバクテリアの投入などにより水作りの期間は異なって来ますのである程度の目安にしてください。早期の水槽立ち上げにも上記バクテリアの投入がオススメです。問題がないことを確認したら、ビーシュリンプの入手を検討してもいいかと思います。


●購入方法

近くに購入できるお店があるかなどによりますが、最近は通販で十分かと思います。通販の場合は専門知識があり信頼のできるお店でご購入を検討してみてください。「ビーシュリンプ 通販」、「ビーシュリンプ 販売」などの文言をいれて検索してみてください。信頼できてきれいな個体が購入できるところから購入してください。ビーシュリンプを購入する際に注意するのは入荷直後の個体を購入しない事です。空輸などの移動によるダメージは直ぐには現れません。移動によりストレスを受けた個体は1週間くらいで徐々に死んでいきます。入荷後1週間以上飼育されている個体が提供されるお店で購入してください。当店は入荷後1週間以上の元気な個体を別水槽で飼育しているため安心して購入できます。落ち着き無く泳ぎ回っている個体や、じっとして動かない個体は状態が悪い場合が多いので購入を控えてください。あとは知識が豊富でいつでもわからないことをメールなどで聞けることができるお店がお勧めです。当店はご購入にかかわらずいつでもご質問ください。ご購入後のアフターフォローも万全です。


●購入に最適な時期

購入に最適な時期は春もしくは秋から冬になります。理由は繁殖などに重要な温度管理がしやすいからです。夏場は温度の管理がしにくいため避けた方がいいかと思います。

●選び方

自分の納得のいく個体を購入するのが一番ですが、発色が良く、動きのいいものを選んでください。入荷後すぐの個体は避けるようにしてください。固体の大きさは生後4ヵ月程度、1.5cmくらいの個体が繁殖活動にも入ることが予測されるため適当かと考えられます。2.5cmの大きな成熟固体や稚エビは水質変化に弱く導入後すぐに死んでしまう可能性がありますので注意をしてください。メスは生後5-6ヶ月で繁殖可能です。メスは繁殖可能になると頭の中の卵巣が黒くなります。

●オス、メスの割合

たくさん増やしたいと思う方にはオス、メスの割合は非常に重要です。よく言われるのはメス:オスが3:7になるのがベストと言われています。オスが多いとメスを取り合ってメスが死んでしまうこともあります。しかしながら通常のお店ではオス、メスを分けて購入することは不可能です。そこで当店ではメスだけ購入できる商品(メスだけセット)もありますのでぜひご購入ください。

●稚エビについて

抱卵したメスからは積算温度550度くらいで生まれます。26℃くらいだと3週間くらいになります。最初はモスなどに隠れています。3-5mmになると徐々に水槽内で見ることができるようになるでしょう。親エビと分ける必要はありませんがモスなどの隠れることができるものを入れてください。餌はバクテリアやコケを食べているため餌の必要はありません。水替え時に稚エビを吸い込まないように注意してください。またフィルターの水吸い込み口にはスポンジを付けるなどして水吸い込まれないようにしてください。
ある程度大きくなれば餌を与えて大丈夫です。オススメの餌はこちらをつけてください。

●購入後の水合わせ

水質に敏感なビーシュリンプを導入する際には十分に注意をしてください。とくに移そうとする水槽の水質にいかに合わせることができるかがポイントです。くれぐれもすぐに購入してきた袋から出して水槽内にすぐに導入することは避けてください。pHショックや温度によるショックをうけて死んでしまうことがあります。水合わせの方法ですが、意味合いとしては購入してきたエビが泳ぐ袋の飼育水もしくは容器に入った飼育水を、入れたい水槽の飼育水の水質に徐々に合わせていくことをする必要があります。エビには点滴法というやり方でするのが無難です。その名の通り点滴をイメージしてください。次の3つを準備してください。エアチューブ、バケツ、コックです。バケツとエアチューブと分岐のコックを用意してください。

1、まず購入してきたエビを袋の水ごとバケツに移動します。底から5cmくらい水がバケツに入っていれば十分です。残りの袋の水は種水となりますので投入予定の水槽に入れてください。すでにバクテリアなどがいますので有用です。
2、エアチューブの片方にコックを取り付けます。
3、エアチューブのコックが付いていないほうを水槽の中に入れて、コックが付いているほうをエビの入ったバケツに垂らしておきます。水槽はバケツより上であることが必要です。
4、コックを開き水が下りてくることを確認してください。
5、次に水量を調整します。1秒間に2-3滴が垂れるように調整をしてください。
6、2時間程度でバケツに水が20Lくらいは移動しています。これで水合わせは完了です。
7、エビを水槽内に導入してください。



●繁殖について

繁殖についてまとめてみました。
・匹数:10匹以上を購入してください(メスだけがほしい方は当店の「メスだけセット」をご購入ください
・メスとオスの割合:メス7割、オス3割がベストです。オスがハーレムの方法が圧倒的に殖えます。メスの奪い合いがないからです。
・繁殖液の添加:繁殖液の添加をお勧めします。オススメの繁殖液はこちら
・水質:弱酸性に保つこと.PH6.5-6.8くらいがよい
・温度:23.8度がベスト
・濾過:水槽サイズのワンランク上のものを使用。外部フィルター2個くらいが、掃除のときのダメージが少なくてよい。サブフィルターがあればなおベスト。
 オススメのサブフィルターはこちら
水草:無農薬のウィローモスアマゾンフロッグピットなどのエビの餌となる水草を入れる。
・照灯時間:長い方がよい。長くなればなるほど成長が早い。
・ミネラル:供給してあげるほうがいい.当店では、ばくはん石とテトラバイタルを使用。
・バクテリア:水換えのたびに、バクテリアを補充する。オススメのバクテリアはこちら
酵素:酸素を添加するオススメの酵素はこちら
・餌:動物質の餌と植物質の餌(ほうれん草、こんぶ、ケール)をあげる。
・稚エビの育成:「フルボ酸」を利用する。生存率が上がります。オススメのフルボはこちら


●餌について

雑食性ですのでアクアリウム用のものであれば何でも構いません。バランスよく与えることで早く大きくなりメスは抱卵回数が増えます。甲殻類ですのでカルシウムの供給も忘れないでください。泳いでいるわけではなく沈降性のものがいいかと思います。メーカーからも様々な餌が発売されていますのでいろいろ試されてもいいかと思います。餌には大きく分けて動物性のものと植物性のものがあります。植物性のえさとしてはほうれん草をゆでたものを好みます。ほうれん草は無農薬のものを選んでください。自家栽培も簡単ですのでお試しください。自家栽培は難しいという方にはオススメはこちらです。 

人工の餌に比べると早めに腐敗をしますので、食べきれる量を投入し、半日くらい残っている場合はピンセットなどで取り除いて水質の汚染を予防してください。エビの食べる速度を見ながらですが最初は少なめにして状態を見ながら増やしていけばいいでしょう。頻度としては1日1−2回が目安ですが、水槽内の水草やコケを食べるので数週間餌を与えないでも死ぬことはありません。エサが過剰になると水質悪化の原因となります。エサをあまり食べない、食べ残しがある場合は与えすぎの可能性があるため食べ残しのない量を与えてください。

水草は水の浄化機能の高いマツモ や、アマゾンフロッグピットフィランタスフルイタンスサンショウモや、餌となるウィローモス南米ウィローモスウィーピングモスフレームモスプレミアムモス などのモス類をお勧めいたします。

個体サイズにアップには動物性のエサの方がベターです。個体サイズが大きくなればその分抱卵の数は増えます。バランスをとるためにも動物性のエサ植物性のエサを半々に与えるといいでしょう。
また、発色を良くするには発色を良くする餌 がありますので試してみてもいいでしょう。





        




●水質の管理

繁殖ができる条件はpH6.4〜6.9、硬度2〜7、水温20-25℃前後がうまくいくようです。抱卵した親固体は積算温度550℃くらいで孵化するようです。水温25℃では約25日で孵化すると考えることができます。しかしながら早く孵化させたいために25℃以上にするのは避けてください。親個体が弱くなります。pHはソイルを使えば概ねこの範囲に入ってきます。硬度はpHに比べるとさほどうるさくはないですが水槽内の硬度は把握しておきましょう。またビーシュリンプは、アンモニアや亜硝酸はpHの急激な変化に特に弱く、これらの値が急激に上昇すると突然大量死につながることがあります。いきなり大量死にならないまでも1匹ずつ死んでいく場合もあります。ソイルは立ち上げ時は亜硝酸が多いため水替えを多めにするようにしましょう。また、ビーシュリンプは多くのえさを食べるため糞由来のアンモニアや亜硝酸が上がるため、常日頃から水質を管理するようにしてください。


●pHについて

pHとは水素イオン濃度のことです。数値は0〜14まであります。pH7.0がちょうど真ん中の中性です。数値が小さくなればなるほど酸性度は高くなります。
逆に大きくなるほどアルカリ性に傾きます。多くの水草の好むpH(水素イオン濃度)は弱酸性から中性です。pHを計測する器具として、pH(水素イオン濃度)には簡易式の試験紙や試薬、電子式のpHメーターがあります。簡易式は安価ですが手間がかかります。電子式は高価ですが、数値をデジタルですぐに示してくれますので使い勝手がよくおすすめです。また、二酸化炭素以外にpH(水素イオン濃度)をアップさせたり、ダウンさせたりする商品もあります。ビーシュリンプには弱酸性の6.0〜6.5が望ましいです。pHで一番気を付けなければならないのはpHの急激な変動です。ショックで死んでしまうこともあります。薬品などで急激なpH変化をさせないように留意ください。購入してきたビーシュリンプに入っている水と水槽内のpHは異なりますので、水合わせを十分に行って水槽に導入をしてください。定期的な記録をpHメーターなどで計測するのも指標となるでしょう。


●硬度について

硬度にはKH(炭酸塩硬度)とGH(全硬度)があります。KH(炭酸塩硬度)は炭酸水素イオンと結合しようとしているカルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度のことです。総硬度の内の炭酸塩が溶解して生じた炭酸水素イオン濃度のことを意味しています。硬度が高くなるとアルカリ性に傾く傾向にあります。GH(全硬度)は別名「総硬度」とも呼ばれ、カルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)の総和量を示す値です。水草育成時は低硬度の方が適していると言われています。GH(全硬度)が高くなると、水草の育ちが悪くなる、あるいはコケの繁殖につながります。水草の働きが弱くなり、栄養分の吸収が弱くなるためと考えられます。ヨーロッパの方では、硬水のところも多いですが、日本は軟水であり水草育成の点では非常に恵まれた環境です。基本的に南米系の水草の多くは硬度が高いことを嫌います。また、特に甲殻類(エビなど)にとってはGH(全硬度)が重要であると考えられています。極端にGH(全硬度)が低い環境では脱皮不全などを起こしやすいと言われています。ただし、高GH(全硬度)も生体にあまりよくないとも言われており、水草を含む環境下では1〜10GH程度が最適なのではないかと考えられます。基本的に市販されているソイルは硬度を下げます。硬度をあげるために珊瑚礁を水槽に投入したりします。
 pH(水素イオン濃度)と硬度、二酸化炭素(CO2)は相互に関連しています。1、pH(水素イオン濃度)一定下で二酸化炭素(CO2)を増やすと硬度が高くなります、
2、硬度一定下で二酸化炭素(CO2)を増やすとpHが徐々に下がっていきます、3、二酸化炭素(CO2)の溶存量一定下で、硬度が徐々に高くなるとpHが徐々に高くなります。
このような関係から、水の硬度が高くなるとpHがアルカリ生に傾く傾向にあり、多くの水草が好む弱酸性とはなりません。一方で、二酸化炭素(CO2)を増やすと弱酸性の水になりやすい傾向にあり水草が好む環境を作りやすい傾向にあります。
 軟水か硬水かどちらがいいかというとレッドビーシュリンプに限らず甲殻類は全般的に硬水の方がいいと言われています。最低3以上がいいと一般的にいわれています。


●アンモニアについて

アンモニアは、レッドビーシュリンプの排泄物や残餌が分解されて生じ、非常に有害です。通常は、バクテリアによって分解されるため、バクテリアが十分に繁殖しているのであれば問題はありません。アンモニアはバクテリアによって亜硝酸に分解されます。
アンモニアが増えるとアルカリ傾向になりますのでpHが上がる方向に行きます。やはり水質は弱酸性を保つのが基本となります。アンモニアを分解してくれるバクテリアがオススメです。


●亜硝酸

亜硝酸は、別のバクテリアによって硝酸塩に分解されます。亜硝酸はアンモニアと比較して毒性が下がりますが、無毒ではありません。
これらを分解してくれる複数のバクテリアが必要です。十分にバクテリアが繁殖している水槽でレッドビーシュリンプを導入したほうがよさそうです。
亜硝酸を分解してくれるバクテリアがオススメです。


●水替えについて

水替えの頻度ですが週に1回、全体水量の1/4から1/5位を目安に換えてみてください。夏場や冬場は水槽の温度が急激に変わらないように水槽の温度と同程度になるように留意してください。うまくいっているときは足し水だけでも構いませんが、水替えの目的は水中に溶け込んだアンモニアや硝酸塩値を下げる事、残餌、糞などを取り除くためです。
稚エビを吸わないように底砂掃除もできるホースにて掃除をしてください。


●底砂の掃除

ソイルの場合は掃除をすることで泥状部を舞いちらす可能性があるためしないほうが無難です。ソイルは定期的にリセットしてください。リセットの目安は6ヵ月〜1年ですが水質の状態を見て調整をしてください。弱酸性を保てなくなった、アンモニアや亜硝酸が高くなったなどになれば交換をしてください。なお、ソイルのリセット時はソイルだけの交換にしてください。濾過器なども掃除をしたくなりますが、一気に掃除をしてしまうとバクテリアが一気に減少するため水質の安定に時間がかかるためです。濾過器の掃除はソイル交換の前後2週間を目安にしてください。大磯や田砂は底砂の掃除を定期的に行ってください。底砂掃除用のポンプが販売されているのでそれを使い、汚い水を含んだものはすべて捨ててしまってください。また稚エビがいる水槽では、吸い込まれる危険性が高く網を通して水を捨てることで網に残った稚エビを救うことができます。

●濾過について

濾過器も底面フィルター、外部フィルター、外掛け式など様々な種類がありますが、ビーシュリンプは大量の糞(排泄物)をしますので濾過能力が大きなものを選択することが重要な指標のポイントとなります。濾過能力が低いとエビに有害な硝酸塩濃度も高くなってしまいます。定期的な水替えはもちろんですが、通常、濾過器のパッケージに記載されている濾過能力のワンランク上のものを選択されることをお勧めします。濾過能力が大きいほど水質の悪化を防ぐことができます。またどの濾過器を選択するにしても、吸水口の部分にスポンジがセットされていない場合が多いので
稚エビが吸い込まれないようにスポンジを給水口につけるようにしてください。

各フィルターの特性は下記になります。

◇上面濾過
 水槽の上に濾過槽を乗せるタイプ。ポンプで汲み上げた水槽の水が濾過槽を抜け、濾過された水が水面に落ちるフィルターです。濾過バクテリアの繁殖が速く、濾過材の洗浄や交換を簡単に行えるのが特徴です。価格も比較的手頃なため、最もよく普及しています。ただし、水草に必要な二酸化炭素(CO2)を空気中に逃しやすく、さらに照明を置くスペースが限られてしまうので、水草飼育には適していません。水槽の水を吸う『ストレーナー』や水を汲み上げる『プロペラシャフト』にゴミが溜って水流が弱くなりやすいのでこまめなチェックが必要です。

◇水中フィルター
 水槽内のガラス面にキスゴムで固定する濾過槽。水中モーターにより、濾過材を通った水が水槽内に送られます。二酸化炭素(CO2)を空気中に逃さないという点では水草向きですが、濾過面積が少ないので、小まめな水換えが必要です。また、水中モーター自体がある程度熱を持つので、夏場の水温上昇には注意が必要です。

◇エアーリフト式底面濾過
 底砂の下に設置する濾過槽で、エアーポンプからの空気を利用し、砂利で濾過された水が水槽に送られます。二酸化炭素(CO2)を空気中に逃がすので、水草には適していません。
しかし、空気を水槽に直接送り込むため、濾過バクテリアの繁殖が速く、短期間の魚の飼育には適しています。同様に、輸入直後の弱った水草にも適しています。水流量が少なく、濾過作用が弱いので、小まめな水換えが必要になります。

◇水中モーター式底面濾過
 エアーリフト式と同じく底砂の下に設置する濾過槽ですが、水中モーターを使う点が違います。水中モーターが砂利で濾過した水を水槽内に送り込みます。二酸化炭素(CO2)が空気中に逃げることもなく、濾過面積も広い上、底のほうの水が循環しやすいので水草に適しています。ただし、他の濾過槽よりも砂利に汚泥がたまりやすく、小まめな底砂の掃除を必要とします。また、底面濾過槽の下の汚泥を取るためには、その上に敷いた砂利をどけなくてはなりません。したがって底面濾過槽の大きさは水槽底面積の半分以内にすることが長期維持のカギです。

◇外部濾過
 水槽の外側(側面や下部)に濾過槽を設置する濾過方式。ストレーナーによって吸い込まれた水槽内の水はホースを通って濾過槽まで運ばれ、濾過された水が再びモ−ターによってホースを通り水槽に送り込まれます。様々なアダプターを用いることで、水草水槽や魚中心の水槽、テラリウムなどにも対応できる濾過装置です。

◇オーバーフロー式集中濾過  
 モーターによって水槽に水が送られると、オーバーフローパイプから水が落ち、ドライ濾過槽で、大きなゴミを取り除く。その後、濾過槽に水が流れ、モーターによって水槽に送られる装置です。


●底砂について

底砂はソイルや田砂、砂利があります。ソイルは弱酸性の軟水に保ってくれるメリットがありますが、1年くらいでその効果も薄くなり、粒が泥状化してきますので定期的な交換が必要になります。大切なのは水質が長期的に維持できるようにすることです。ソイルはほかのタイプの底砂に比べてエビが好む弱酸性に水質を保ってくれることや水草の育成に必要な栄養分を豊富に含むことからそれらの栄養素がエビにもいい影響を与えていると考えられます。当店ではマスターソイルをお勧めしています。
砂利は初期にはアルカリ傾向になるため、酸処理をしたものをご使用ください。砂利のメリットは半永久的に使用可能なためコストメリットがありますが弱酸性にはなりにくいデメリットがあります。いずれにしても弱酸性の環境が保たれるのであれば自由に選択されても大丈夫です。厚みは3cmくらいを目安にしてください。


●照明について

特別に決められた照明設備はありません。しかしながら、適切な光量にすることでビーシュリンプのえさとなる水草が生長する環境を整えることができます。水草がきれいに育つ環境はビーシュリンプにとってもいい環境です。また発色をよくできるようにある程度の光量は確保されたらいいでしょう。特にタイマーで規則的に点灯をオン・オフすることで規則的な環境をビーシュリンプにも提供できます。繁殖には一説によると8時間以上は確保したほうがいいという話があります。8時間を目安にしてみてください。それ以上になると水槽にコケが生えやすくなったりしますのでご注意ください。


●水温の管理について

ビーシュリンプ全般にいえることですが低温(15℃でも死にません)には強く高温(30℃以上)には弱いです。繁殖を望む場合は22-26℃くらいを維持する必要があります。20℃くらいでは発色はよくなりますが抱卵しないようです。冬場はヒーターを利用し、夏場はファンや水槽用クーラーで調整をしてください。特に夏場ですが水温が30℃以上にならないようにしてください。30℃以上が続くと弱い個体や稚エビが次々に死んでいくことがあります。水槽の用のファンをお使いください。これは水面に風が当たることで水の気化熱により2-4℃程度下がるため有効です。ファンは安価ですのでお勧めです。水槽用のクーラーは高価ですが、ファンよりも水温のムラがなくより適した水温の制御が可能ですので予算に余裕のある方にはオススメします。もしくは部屋用のクーラーを30℃設定にしてつけたままでもいいかと思います。電気代もそれほどかからないようです。水温計は必ずつけてください。誤差が2℃くらいあるものもありますのでなるべく正確なものを選んで設置をしてみてください。夏場はエアーションで溶存酸素を多めにするようにしてください。酸素は温度が上がると溶解量が少なくなるからです。エアストーンを利用することで気泡のサイズを小さくすることができ溶存酸素量を高めることができますのでお試しください。


●エアレーションについて

エビは酸欠に弱いのでエアレーションはしたほうが無難です。とくに水草が光合成をおこなわない時間帯は水槽内の酸素が不足します。また、夏場は水温の上昇で酸素濃度が低下するためエアレーションが重要になります。より酸素を溶解させるようにするために気泡が細かくなるエアストーンなどをご使用ください。


●死因について

1、pHショック
購入後、水槽に移し変える時に水合わせをせずに水槽にすぐに入れてしまうなどで起こるものです。なるべくバクテリアの?殖した弱酸性の飼育水を使用してください。pHコントロール剤は論外ですので使用不可です。

2、バクテリア減少
水替えは1/4程度にしてください。またフィルターのろ過材やウールなどにバクテリアが定着しています。石鹸などで洗ったりして殺さないように注意してください。フィルターが目詰まりしているなら大きなごみは取り除いてください。バクテリアが減少すると有害なアンモニアや亜硝酸が増えることで水質が悪化してビーシュリンプの死につながります。

3、水温の上昇
30℃を超えるとビーシュリンプにとっては厳しい温度になります。ファンをつけることで温度上昇抑制にもなります。また温度が上がることで溶存酸素が少なくなり酸欠になります。エビは多くの酸素を必要とするため、エアレーション(エアポンプで水槽内に酸素を溶解させること)をしてください。エアレーションすることでバクテリアも殖えます。夏場でも30℃以下になるように調整してください。

4、水質悪化
繁殖して水槽サイズに合わない匹数やろ過がうまくいかないときに有害なアンモニアや亜硝酸が増えることでおきます。餌の食べ残しを少なくすること、ろ過は水槽サイズのワンランク上のものを使用すること、ソイルは状態を確認しながら交換をすることにしましょう。水替えは1週間に一度1/4程度が目安です。またろ過機は1ヵ月に1回が目安です。

5、餌不足
これはあまりませんので大きな心配はいりません。2週間程度まったく与えなくても死ぬことはありません。可能であればモス類などの水草を入れることで水草の新芽や付着しているコケを食べます。特に当店の水草は無農薬ですので安心て使うことができます。ビーシュリンプが水草をつついて餌を食べる姿はとても面白く癒される光景です。

6、薬物混入
夏場はとくに殺虫剤などを使うことがありますのでその場合は注意してください。どうしてもしても使用しなければならない場合は水槽に袋をかぶせるなどして薬剤が溶け込まないようにしてください。ほうれん草などを餌として与える場合も無農薬のものを使用してください。

7、寿命
ビーシュリンプの寿命は個体差がもちろんありますが長くて3年くらいです。稚エビが死ぬ環境でなければ自然現象ですので気にすることはありません。死んだ個体は水質悪化の原因となりますのでピンセットなどで取り除いてください。




        




●水槽内に発生する生物について

・プラナリア
扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する 動物の総称です。水槽内に発生する細長い生物です。エビの元気な個体は襲うことがありませんが、死んだ個体などを餌とします。またエビのエサに群がってしまい、肝心のエビにエサが増らないこともあります。
見た目も良くないため水槽内では嫌われる傾向にあります。見つけ次第取り除いてください。あまりに増えすぎてしますと除去しきれないためプラナリアゼロ をお使いください。

・スネール
スネールとは2-4mmくらいの巻貝です。ビーシュリンプに対して特に害はありませんが、エビの観賞意を目的とした場合に見た目が悪いことがデメリットです。一方で、スネールにもメリットはあり、ガラス面に付着したコケ類や糞や餌の残り等を食べますので水質改善があります。排除には動きも遅いため捕獲することも容易です。またスネールキーラーという貝を入れることでその貝がスネールを食べてくれます。


●水草について

水草はビーシュリンプにとって水槽内をにぎやかに美しくするだけではありません。まずビーシュリンプの色を際立たせる効果があります。餌にもなります。基本的に雑食のため市販の餌はもちろん、常に手を動かして微生物や水草などを食べています。とくに水草はビーシュリンプにとって大切な食糧源の一種になります。また、水草は余分な養分を吸収し、水質を安定させてくれるものです。水質のバロメーターにもなり水槽全体の環境の指標ともなります。また、モスなどは稚エビの隠れ家にもなります。抱卵時のメスの隠れ家にもなります。このようにビーシュリンプと水草は持ちつ持たれつの共生の関係にあるのです。水草が綺麗に育つ環境はビーシュリンプにとってもいい環境です。当店の無農薬水草をぜひご活用ください。


●混泳について

まず基本となる考え方が大切なレッドビーシュリンプが食べられないこと、ストレスがかからないようにすることが重要です。大きくなった成熟固体(2−3cm)はよほどのことがない限り食べられることはありません。しかしながら、レッドビーシュリンプの魅力の一つである繁殖を目指すのであれば混泳はおすすめできません。エビと一緒に混泳できる魚としてはオルトシンクルスやオトシンクルスネグロというナマズ科のガラス面の茶コケを食べてくれる魚がオススメです。水槽の設置に余裕があるのなら、繁殖専用の水槽、魚と一緒に混泳を楽しむ水槽など分けてもいいかもしれません。また貝類との混泳も可能です。それでは他の種類のエビとの混泳についてですが、小型のエビの極火蝦(レッドファイヤーシュリンプ)、ルリーシュリンプやミナミヌマエビは問題ありませんが
ヤマトヌマエビは捕食されますので混泳は不可になります。